PAGE TOP

【JRC部・IRP】能登半島防災研修に行ってきました

ホーム > 【JRC部・IRP】能登半島防災研修に行ってきました

教職員 : 2026/10/05


 9月21日(月・祝)から23日(水・祝)までの3日間、JRC部4名とIRP(探究活動)3名の計7名の生徒が、能登半島防災研修に参加しました。今回の研修では、令和6年能登半島地震の被災地を実際に訪れ、被災された方々や復旧・復興に取り組む方々の声を直接聞くことで、災害や防災について「自分ごと」として考えることを目的としました。また、震災後の暮らしや地域の現状を知り、人と人とのつながりや、地域を支えることの大切さについて学びました。
 研修初日は、地震によって被災した千手院を訪れました。千手院は、平安時代初期に空海によって創建されたと伝わる、1300年の歴史をもつ古刹です。長年住職不在の状態が続き、廃寺寸前となっていた寺を再生し、宿坊を備えた交流拠点として整備することで、人が集い、学び、泊まり、能登の未来を支える「復興ツーリズム」の拠点づくりが進められています。生徒たちも、千手院の復興に向けた活動のお手伝いをさせていただきました。被災した場所を見学するだけではなく、実際に復興に関わる活動を体験することで、「地域に残るものを守ること」や「人が集う場所を未来へつないでいくこと」の意味について考える貴重な機会となりました。
 その後、穴水町の森本石油を訪問しました。震災当時の状況や被災後の地域の様子、復旧・復興への思いなどについてお話を聞かせていただきました。現地に立ち、自分たちの目で被災地の様子を見ることで、報道や写真だけでは分からない震災の大きさや、復旧・復興への道のりを肌で感じることができました。
 2日目には、珠洲市や輪島市の被災地域を巡り、地域で暮らし、事業を続けている方々を訪ねました。いろは書店では、震災発生時の状況や避難生活、その後の地域の様子などについてお話を伺いました。大きな被害を受けながらも、それぞれの場所で地域を支え、復興に向けて歩み続ける方々の言葉から、生徒たちは多くのことを感じ取っていました。
 また、「ココハサトマチ」では、奥田和也さんから、震災当時の状況や地域の現状、復興に向けた取組などについてお話を伺いました。その後、奥田さんとともに地域を歩くフィールドワークを行い、震災によって地域の暮らしや風景がどのように変化したのかを、自分たちの目で確かめました。現地で暮らし、地域の復興に関わっている方と一緒にまちを歩きながら話を聞くことで、「復興とは、元の状態に戻すことだけなのか」「地域を未来に残していくために何が必要なのか」など、生徒たちがそれぞれに考えを深める時間となりました。
 最終日には、珠洲市上黒丸地区を訪れ、地域の皆さんとの交流を行いました。本校生徒がこれまで防災活動の中で取り組んできたパラコードキーホルダー作りを地域の方々に体験していただくとともに、生徒たちも地域の方々に教えていただきながら藍染めを体験しました。パラコードキーホルダー作りでは、生徒が作り方を説明し、分からないところを一緒に確認しながら作業を進めるうちに、自然と会話が生まれ、会場にはたくさんの笑顔が広がりました。藍染め体験でも、作業をともにしながら、震災後の暮らしや地域のこと、これからの上黒丸地区への思いなど、さまざまなお話を聞かせていただきました。
 研修前、生徒たちは「被災地を訪れて、自分たちに何ができるのだろう」と考えていました。しかし、実際に地域の方々と交流する中で、何か特別なことをするだけが支援ではなく、一緒にものを作ること、話を聞くこと、同じ時間を過ごすことも、人と人とをつなぐ大切な一歩になることに気づきました。そして、交流を通して元気を届けたいと思って訪れた生徒たち自身が、地域の皆さんの温かさや笑顔から、多くの元気をいただきました。災害時の助け合いは、災害が起きてから突然生まれるものではなく、日頃からの人と人とのつながりの積み重ねによって支えられていることを実感する、心に残る交流となりました。

 3日間の研修を通して、生徒たちは、単に「被災地を知る」だけではなく、そこで暮らす方々と出会い、その声を聞き、ともに歩き、ともに活動することで、復興や防災について多くのことを感じ、考えることができました。
 徳島県でも、南海トラフ巨大地震の発生が想定されています。能登で見たこと、聞いたこと、感じたことを徳島へ持ち帰り、「高校生として自分たちに何ができるのか」を考えながら、これからの学校や地域での防災活動、探究活動へとつなげていきます。
 研修にあたり、温かく迎えてくださった能登の皆様、そして貴重なお話を聞かせてくださった皆様に、心より感謝申し上げます。


1

1

1

1

1

1

1

1

1

1

1

〔参加生徒の感想〕
生徒(1)
研修に参加する前は、震災から時間がたち、能登では復興がかなり進んでいると思っていました。しかし、実際に現地を訪れると、傾いた電柱や工事中の道路など、今も震災の爪痕が多く残っており、ニュースだけでは分からない現実を目の当たりにしました。一方で、現地の方々が「地域のつながりが強くなった」と前向きに話し、復興に向けて行動されている姿がとても印象に残りました。また、「助けてほしい」と言える“受援力”も大切だと学びました。徳島でも、パラコードづくりや炊き出し、地域の方との交流などを通して、楽しみながら防災を学び、いざという時に助け合える関係をつくっていきたいです。

生徒(2)
能登へ行く前は、被災地についてニュースで見る「大変で悲しい場所」というイメージをもっていました。しかし、実際に現地の方々とお話しすると、つらい経験をされながらも、とても明るく前向きに生活されていることに驚きました。特に印象に残ったのは、「高校生がそこにいるだけでも安心する人がいる」という言葉です。災害が起きた時、高校生は何か特別なことをしなければならないと思っていましたが、話し相手になったり、物資を運んだり、周りの人に声をかけたりすることも大切な役割なのだと気づきました。自分にできることは、思っている以上にたくさんあります。徳島でも災害を自分ごととして考え、まず自分から行動できる人になりたいです。

生徒(3)
今回の研修で最も強く感じたのは、頭で知っている防災と、実際の災害現場には大きな違いがあるということです。現地では、生活はできていても道路や建物などに小さな不便が残り、地域によって復興の進み方にも差があることを知りました。また、パラコードづくりや藍染めを通して地域の方々と交流し、一緒に笑ったり話したりする時間も、復興を支える大切な力になると感じました。高校生は、大人と子どもの両方に近い立場だからこそ、避難所で子どもたちの相手をしたり、物資の整理をしたり、場の雰囲気を明るくしたりできると思います。この研修で得た「生きた学び」を、学校や地域に伝えていきたいです。

生徒(4)
研修前は、被災地の復興は行政が中心となって進めていくものだと思っていました。しかし、能登で地域の方々のお話を聞く中で、復興には地域に住む人自身が関わり、人が働ける場所や人が集まる場所をつくっていくことも重要だと学びました。また、観光地などから復興が進み、奥まった地域ではまだ多くの課題が残っているという現実を知り、同じように地方の課題を抱える徳島にとって決して他人事ではないと感じました。南海トラフ巨大地震に備えるためにも、まずは自分の地域を知り、普段から地域の人とつながっておくことが大切です。能登で学んだことを、これからの徳島での防災活動や地域交流につなげていきたいです。


ご質問・ご意見